高級ブランド“中古品”求め来日 3日で1500万円…日本特有の理由で爆売れ
新型コロナウイルスによる水際対策の緩和からおよそ3週間が経ち、記録的な円安を追い風に、多くの外国人が日本を訪れています。こうしたなか、次々と売れているのが高級ブランドの中古品です。なぜ人気なのか、取材しました。
■中古品店に“外国人客”急増
シャネル、エルメス、ルイ・ヴィトンなど、なかなか手が出ない高級品ですが、飛ぶように商品が売れていきます。
銀座にある中古品販売店。不要になった高級バッグや時計などを買い取り、販売しています。店では先月から、ある変化が起きていました。
バリュエンスジャパン株式会社 リテール販売促進部・藤本勇人部長:「(個人旅行)解禁から、色んな国のお客様が来店されてます。タイ、台湾、マレーシア、シンガポールなど、割合としては(日本人と)半分半分近い」
先月、入国制限が緩和されたことで、外国人の来店が急増しています。この日も絶えず観光客が訪れていました。
オーストラリアからの観光客:「結婚前に日本に来ました。ハネムーンとして」
普段はIT関連の仕事をしているという2人。早速、手に取ったのは…。
オーストラリアからの観光客:「いい感じ。でも、この値段はちょっと高いよ」「大丈夫、買ってもいいよ」
女性が買ったのは、シャネルの人気シリーズ「マトラッセ」。値段はおよそ85万円です。男性からの新婚祝いのプレゼントに、女性も大満足です。
オーストラリアからの観光客:「バッグの質がとても高いので、値段の価値はあると思います。円安のおかげで、たくさん買い物ができました」
この店では、急激に増えた外国人客への対応に追われていました。
部長:「多言語対応できるスタッフが足りてない」
女性スタッフ:「そうですね」
店長:「中国語じゃないところも多くなると、英語の能力も必須になってくる」
今月から新たに外国語に対応するスタッフを採用するといいます。
■「宝探し」3日で1500万円“爆買い”
先月、銀座にオープンした別の中古ブランド品ショップにも、外国人観光客が殺到していました。
台湾からの観光客:「台湾からです。ちょうど今、円安だし、爆買いしたいですね。爆買い」
日本に1週間滞在する予定ですが、3日目までに1500万円の買い物をしたといいます。女性のお目当ては、エルメスの人気シリーズ「バーキン」です。
台湾からの観光客:「本当に気に入りました。中古品だし、少しだけでも安くできたらいいんだけど。しかもクロコダイルだから、珍しいから…」
値段は370万円。結局、値下げ交渉は失敗に終わりましたが、悩んだ末に購入を決めました。
台湾からの観光客:「似たものを台湾で買うとしたら、700万円くらいになると思います」「(Q.中古品の魅力は?)値段ですかね。あとはすぐ受け取れる。安いエルメスを見つけたら最高ですね。宝探しって気持ちですね」
■「新品に近い」日本特有の理由で爆売れ
中古の高級ブランド品を販売している店に外国人観光客が大挙して訪れているのには、日本ならではの理由があるといいます。
藤本部長:「日本人特有といいますか、丁寧に扱っているものが多いので、非常に状態がいい。ヨーロッパのお客様が『日本のヨーロッパブランドの中古はきれい』と言う。本当に新品に近いものが多いです」
日本人特有の、ものを扱う丁寧さが中古品であっても新品のような価値を生み、外国人客への“爆売れ”につながっているといいます。
オーストラリアからの観光客:「(Q.商品の質はどうですか?)質は間違いなく高いです。オーストラリアに、こういう店は多くはありませんし、質もよくありません」
■“買い取り価格”もどんどん↑
外国人客への販売が加速するなか、品ぞろえを充実させるため、この店では買い取りも強化していました。
都内に住む60代の女性が持ち込んだのは、ルイ・ヴィトンとシャネルのバッグ2点です。
買い取りスタッフ:「ヴィトンのバッグが5万円。シャネルのバッグが34万円」
都内在住:「(合計)41万5000円…お願いします」
買い取りスタッフ:「一応(合計)39万円なんですけど、欲しい商品なんで、あと1万円。40万円ジャストでもいい?」
人気ブランドの品とあって、40万円の高額買取となりました。
買い取りスタッフ:「(Q.この商品はどう?)この商品は絶対逃しちゃいけないと」
ブランドオフ銀座本店・販売スタッフ:「インバウンド需要を見越して、買い取り価格が非常に上がってきている。今、非常に良い景気の流れになっている」
(「グッド!モーニング」2022年11月04日放送分より)